回復のキーワード

私共「たんぽぽ」のスタッフは以下にあげる3つを回復のキーワードとして、アルコール依存症者の回復を目指しております。

①自覚すること

アルコール依存症は否認の病気です。アルコールで大きな問題を起こしているにもかかわらず、「自分はまだアルコールを飲める体で、問題を起こした時はたまたま飲み方が悪かった。」と考えるのが特徴です。

「たんぽぽ」は年に365日午前と午後の計2回、アルコール依存症者によるグループミーティングを開いています。そこでは、アルコール依存症者によるアルコールにまつわる経験談を話し合います。アルコールを止め続けているアルコール依存症(Recovering Alcoholic)の司会者がテーマを出して、正直な経験談を話します。

アルコールの依存症者がアルコールで起こした様々な問題を親兄弟、配偶者、友人等に話しても非難されるのが関の山です。しかし、同じ病気の人同士(以下、「仲間」)であれば、経験談は共有できますし、結果的にアルコールの問題が自分自身の問題ということを自覚することが可能であると考えております。

②癒やされること

アルコール依存症者がアルコールを止めると、様々な負の感情が湧いてきます。例を挙げるならば、孤独感であったり、焦燥感であったり、罪悪感であったり人それぞれです。「たんぽぽ」はグループミーティングを中心としたプログラムと各種フェローシップ※1とで、「仲間」の繋がりを深めることを目指しております。「仲間」とスタッフの中で、また、「たんぽぽ」という居場所でアルコール依存症者が心から安らぎ、そして癒やされてほしいと願っています。


※1:誕生会、料理教室、一泊研修旅行、日帰りハイキング、スポーツ教室他

③希望を持つこと

アルコールを止めて少し経つと、飲まないで回復している「仲間」の姿から自然と「自分もああなりたい」という希望が湧いてきます。例を挙げるならば、再就職したり、家族との関係が修復したりというものです。「たんぽぽ」は通所者にこのような「実現可能な希望」を持っていただきたいと考えております。

また、飲まないで回復している多くの「仲間」に接するために、「たんぽぽ」は夜のアルコール自助グループへの参加も積極的に推奨しています。

これら3つの回復のキーワードを実現するために、スタッフは通所者の皆様に「個人向け回復のプログラム」を提案しています。

「たんぽぽ」のドアを叩いてくれる人たちは、アルコール依存症という病気は共有しているものの、アルコール依存症に至った経緯、生活状況、年齢、性別、生い立ち、生計の立て方、過去の職歴、家族構成、重篤な疾病の有無等、実に様々です。ですから、画一的な方法では通所者全員をケアすることが困難であるとの視点に立ち、一人一人に即した、いわば「オーダーメイド」の「個人向け回復プログラム」を提案し、それによって回復を支援していくと言うのが、「たんぽぽ」の活動指針です。

その他の活動

a)家族相談の実施


「気が休まるのは当人が入院している時だけ」という、アルコール依存症者の家族にとっては笑えない話があります。アルコール依存症は、本人は勿論のこと、周囲の人間を巻き込み、特に一番近い人間である家族は少なからず心に傷を負っています。アルコール依存症は家族を巻き込む病気なのです。

「たんぽぽ」では依存症者のご家族のための相談もお受けいたしております。


b)地域社会へのアルコール依存症の啓蒙活動


飲酒運転、飲酒年齢の低年齢化といったアルコールに関連した社会問題にも「たんぽぽ」は関心を持っております。川崎市各区保険福祉センターと連携し、アルコール依存症の啓蒙活動も行っております。アルコールを止め続けているアルコール依存症(Recovering Alcoholic)の実体験をもとに、アルコール依存症という病気が社会に認知されるよう努力しております。

ご本人、またはご家族がアルコールでお困りでしたら、まずは「たんぽぽ」にご連絡ください。

スタッフが親身になって、アルコールを飲まない生活をご提案をさせていただきます。